近鉄長野線鉄道高架化工事(富田林市) 1

長野線高架化工事

大阪府富田林市北部にある粟ヶ池(あわがいけ)付近にて、南河内地域の交通ネットワークの強化と周辺道路の渋滞緩和などを目的として建設が進められていた「美原太子線粟ヶ池バイパス」が開通して約1年が経過しました。しかし、途中に線路があるためバイパスは暫定踏切で交差することになっており、同踏切を除去するための鉄道高架化工事が今も進んでいます。


近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
近鉄長野線鉄道高架化工事(富田林市)


工事の概要

一連の工事について詳しく見てみると、2019年(令和元年)8月7日(水)14:00時に主要地方道美原太子線粟ヶ池バイパスが開通しました。これは、国道170号(大阪外環状線)と交差する「粟ヶ池大橋西」から旧国道170号と交わる「中野町3丁目」までの粟ヶ池大橋を含む約400mの区間ですが、粟ヶ池西岸には近鉄長野線の線路があるため現在は踏切が設置されています。


しかし、もともとはバイパスの建設に合わせてこの部分の近鉄線を高架にし、立体交差にすることで踏切を設けない計画だったようです。この計画に従い、現在は道路と鉄道の交差部の踏切を除却するために、近鉄長野線の高架化工事が進められています。

大阪府富田林土木事務所の資料などによると、事業全体の経過としては1997年(平成9年)に事業着手、2006年(平成18年)に工事着手しますが2008年(平成20年)より大阪府の財政再建に伴い事業が一時休止となります(粟ヶ池大橋は建設途中)。2014年(平成26年)に事業が再開され2016年(平成28年)からは近鉄の高架化工事に着手。2018年(平成30年)に下り線の仮線切替えが行われ、翌2019年(令和元年)に上り線も仮線に切替えられ、バイパス道路が開通しました。

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
バイパスと高架化予定地

今回の工事で高架化されるのは、近鉄長野線喜志駅の南側からしまむら富田林店の裏辺りまでで、大阪府などの各種資料を見ると、その延長は約910mで、うち高架構造部は約440m、除去される踏切道は2ヶ所となっています。現時点では鉄道高架化工事が完了するのは2020年代前半の予定なので、それまではこのバイパス道のために設置された踏切を越えることになります。

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
粟ヶ池共園の散策マップ

高架化に当たっては、まず従来の線路東側の粟ケ池内に̠仮線を先行整備し、仮線への移行後にもともとの線路部分を高架化。高架工事完了後に仮線から高架線に再移行する計画のようです。

2020年(令和2年)8月時点では、近鉄線は上下ともに仮線を走行しており、高架部分は橋脚がその姿を現しつつある...といった状況です。なお、本記事トップの写真は2020年8月撮影の美原太子線バイパス道より一つ北(喜志駅側)にある踏切付近の様子です。


過去の工事の様子

2017年9月

今回は、過去に撮影していたバイパス道路・鉄道高架化工事の写真を。まずは、2017年(平成29年)9月に撮影した粟ヶ池南側の道路にあった踏切(踏切道喜志第三号)周辺の風景です。この踏切は高架化工事開始後すぐに閉鎖されました。

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
踏切道喜志第三号東側から北

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
踏切道喜志第三号東側から南

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
踏切閉鎖による迂回路の案内

2017年10月

次に、2017年10月に撮影した粟ヶ池北側の踏切周辺の景色です。この道路は古くから美具久留御魂神社の参道を兼ねており、バイパス道路が完成するまでは国道170号の旧道と外環状線を結ぶ道としてかなりの交通量がありました。こちらは踏切道喜志第二号でしたが、現在は仮線側の踏切道仮喜志第二号となっています。

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
踏切道喜志第二号東側から北

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
喜志駅側の仮線予定地

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
富田林駅側の仮線予定地

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
踏切道喜志第二号西側から南

近鉄長野線鉄道高架化工事 1(富田林市)
西側から見た粟ヶ池大橋


この時点では美原太子線バイパス道路開通の2年近く前で、まだ橋梁以外の工事がほとんど進んでいない状態でした。


粟ヶ池は南河内を代表する灌漑用の溜池で、その築造時期は古墳時代にまで遡るともいわれており、周辺には弥生時代から近世にかけての遺跡である「中野北遺跡」があります。今回の近鉄長野線の高架化工事に伴って、粟ヶ池の西岸にあたる部分を約300mに渡って発掘調査を行った結果、古墳時代終わり頃(6世紀末)の竪穴住居などの遺構や、中世から近世の池岸、弥生時代から近世にかけての遺物が確認されたそうです。


南河内では珍しい鉄道工事である、近鉄長野線鉄道高架化工事の現場周辺の様子は、写真付きで今後も記事にしていく予定です。

●続きの記事はこちら →近鉄長野線鉄道高架化工事(富田林市) 2


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