【南河内探訪】大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)

狭山池博物館

大阪府立狭山池博物館は大阪府大阪狭山市池尻中にある博物館で、日本最古のダム式ため池である狭山池と一体化した親水空間を有する土地開発史専門の博物館です。
狭山池のほとりにあり、今では南河内有数の憩いの場として普段から多くの人々が訪れる当博物館は、建築家の安藤忠雄氏の設計によるコンクリート打ち放しの巨大な建物でも有名で、その壮大な外の親水空間と中の展示は一見の価値があります。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)(2018年3月)

●狭山池周辺の歴史などについてはこちら →【街歩き】狭山池 日本最古のため池と北条氏(大阪狭山市) ・大阪府立狭山池博物館・狭山藩陣屋跡・さやま遊園跡

概要

大阪府立狭山池博物館は、我が国最古のダム式ため池である史跡狭山池の北側にて、2001年(平成13年)3月28日にオープンしました。

狭山池は古事記や日本書紀にも登場し、枕草子でも触れられているようです。正確な築造年は分かっていませんが、平成の改修時に築造当時の樋が見つかり、使用されている木材の年代測定をしたところ、616年(推古天皇24年)頃に伐採されたものであることが判明しました。このような研究から飛鳥時代前期に朝廷によって天野川(西除川)と三津屋川(今熊川)の合流点付近を堰き止めて築造されたと考えられています。



狭山池博物館では講演会やイベントを通じて、府民に対する知的サービスを積極的に展開することで、生涯学習や学校教育の場としての充実をはかり、南河内における「文化創造」の拠点的施設に位置づけられています。

安藤忠雄氏の設計による建物全体は大阪狭山市周辺地域のランドマーク的存在となっています。遠くからでもわかる巨大なコンクリート打ち放しの直方体は近くで見ると圧巻です。エントランスから建物の入口までには水庭や滝があり、その中を歩いて行く親水空間となっています。

また、吹き抜けを多用した博物館の建物内部には巨大な堤の断面やかつての取水塔、周辺での出土文化財が収納展示されているほか、狭山池改修の歴史、狭山藩(河内北条家)について、そして周辺や下流地域に狭山池がダム式ため池としていかに重要であったかなどを学ぶ展示がなされています。

常設展示は第1から第8ゾーンまである他、期間限定の特別展示を開催していることも。さらに、大阪狭山市立郷土資料館やカフェテラス「Sayama History Cafe」も館内に併設されています。

基本的に入館料、駐車場ともに無料です。

●大阪府立狭山池博物館ホームページ →http://www.sayamaikehaku.osakasayama.osaka.jp/_opsm/

博物館の施設や風景

狭山池博物館のエントランスは東側と西側にあります。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
東側エントランス

大阪狭山市駅方面から歩いて来ると東側エントランスが近いです。入って少し進むと右手に建物入口に下りる階段があり、直進するとエレベータのある西側エントランスの方につながっています。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
コンクリートと木

入口周辺からすでに「安藤ワールド」全開といった感じです。安藤氏の設計といえば、南河内では南河内郡河南町にあるアスカディア・古墳の森大阪府立近つ飛鳥博物館も有名です。両博物館の間は直線距離で8km少々なので、1日でどちらも見学することが容易です。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
西側エントランス

駐車場から堤の上を歩いてくると、西側エントランスが近いです。こちらの入口から入るとエレベーターがすぐ近くにあります。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
巨大な直方体

中では巨大なコンクリートの建物と水の景色を楽しめます。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
上から見た親水エリア

東側にある階段を下りていきます。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
両側が滝の通路

谷状の空間の底の左右には通路がありますが、外側の壁から流れ落ちてくる水で、まるで滝の裏側を進んでいるような感じです。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
建物入口前円形広場

滝のゾーンを過ぎると円形の広場のようになっていて、階段かスロープで1階上にある建物入口に向かいます。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
堤の断面

館内でまず目に付くのが、入ってすぐ右手にある巨大な堤の断面を観察できる移築展示です。これは高さ約15m、幅約60mあるそうです。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
様々な展示

その後は順路に沿って様々な展示を見ることが出来ます。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
「かんがい範囲図」

江戸時代以降の狭山池の灌漑範囲を示す立体地図もあります。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
旧取水塔

終盤近くの「第6ゾーン : 明治・大正・昭和の改修」では、ひときわ目立つ取水塔の移築展示も。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
企画展コーナー(2019年5月)

時期によっては特別企画展が開催されています。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
郷土資料館の甲冑と日本刀

また、2階部分には2009年(平成21年)に大阪狭山市立図書館の北側から移転してきた大阪狭山市立郷土資料館があります。

また、3階には「Sayama History Cafe(サヤマ・ヒストリー・カフェ)」があり、「狭山博物館カレー」を食べることが出来ます。

●パティスリーフラワー狭山池店さんの「狭山池ダムカレー」についてはこちら →パティスリーフラワー 狭山池店(大阪狭山市) ・狭山池ダムカレーはこちらで!

アクセス

鉄道では南海高野線「大阪狭山市」駅下車。改札を出て右(西)方向へ進むと半田交番と半田郵便局のある交差点に出るので右折。川を渡ると左前方に東小学校がある交差点に出るのでそこを左折します。あとは200mほど進むと狭山池の堤への上り口があるので上ると堤の上から池や博物館が見渡せます。

車の場合、北堤駐車場が博物館にも近いです。こちらには国道310号「池之原中」交差点を東に進み300mほど進むと右手に駐車場入口があります。

大阪府立狭山池博物館(大阪狭山市)
ラバーダックと狭山池博物館(2016年3月)

また、狭山池の周辺では北東に狭山藩陣屋跡がある他、東には狭山池水天宮、西には池之原神社、南には狭山神社、北には狭間神社といった神社が鎮座しています。

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