後藤又兵衛の伝説が残る郷
奈良県北東部の宇陀市には、県内屈指の桜の名所があります。それが宇陀市大宇陀本郷にある「本郷の瀧桜(たきざくら)」です。別名「又兵衛桜(またべえざくら)」とも呼ばれ、奈良県の保護樹ともなっていますが県外にも知られる見事な枝垂桜の古木で、毎年春の桜のシーズンには多くの観光客で賑わいます。川の対岸から見た又兵衛桜(宇陀市) |
1615年(慶長20年)の大阪夏の陣で活躍し討死したとされる戦国武将、後藤基次(又兵衛)ですが、こちら奈良県の宇陀には大坂の陣の後、又兵衛が当地へ落ち延びて僧侶となって一生を終えたという伝説が残っています。この枝垂桜が残る地も、後藤家の屋敷跡にあることから地元では「又兵衛桜」と呼ばれて親しまれてきました。
古くより一部の写真家に愛されていましたが、2000年のNHK大河ドラマ「葵 徳川三代」のオープニング映像にこの又兵衛桜が使用されたことから全国的に知名度が上がり、以来毎年春には7~10万人という多くの花見客で賑わっています。
又兵衛桜
今回は2020年(令和2年)3月26日に訪問しました。今年は折からの新型コロナウイルス感染拡大防止のため「桜まつり」が中止となっていました。説明板 |
又兵衛桜周辺にはいくつかの駐車場がありますが、今回は又兵衛桜から川を挟んですぐ北側の対岸にある駐車場を利用しました。こちらの駐車場からは南側の山をバックに又兵衛桜をはじめとした花々がよく見渡せます(トップの画像)。
桜橋 |
今回利用の駐車場から川沿いの遊歩道を通って少し西に向かうと、対岸の桜のもとへ渡れる桜橋が架かっています。
1人100円の協力金を |
こちらで見学料、というか又兵衛桜周辺整備の維持管理協力金として一人100円を備付けの箱に投入しました。
橋からの風景 |
この橋から東を見ると、又兵衛桜をはじめとした色とりどりの花と川のせせらぎという素晴らしい景色を堪能できます。
本郷川砂溜工の説明板 |
橋から又兵衛桜への途中には「本郷川砂溜工」の説明板があり、周辺整備についてや又兵衛桜の説明が書かれています。
又兵衛桜(本郷の瀧桜) |
石垣の上から枝を垂らす又兵衛桜の真下に到着すると、満開前でもその存在感に圧倒されます。
石垣の上の又兵衛桜 |
又兵衛桜は樹齢300年ともいわれる枝垂桜の古木で、その枝振りは見事というしかありません。
例年、見頃となるのは4月上旬 ~ 4月中旬で、今回は地元の人によると四分咲きといったところだそうです。
背後の桃も咲き始め |
単体でも見事な又兵衛桜ですが、河原を含め周辺には花を楽しめる様々な植物が植えられています。又兵衛桜の背後には、ほぼ同じ頃に咲く桃がたくさん植えられていて、桜と桃の花のコントラストも美しく、より豪華に見えます。
四分咲きでも迫力あり |
山の緑を背景に、周囲の桃や辛夷(コブシ)の花も咲いて見ごたえのある又兵衛桜は、ここ数年、満開の見頃ともなると写真家や観光客で大賑わいとなります。今回は五分咲き手前といったところで花はまだまだこれからでしたが、駐車場も並ばずに入れ、それなりの見物客はいましたが落ち着いて鑑賞できました。
●宇陀市観光協会情報サイト →http://www.city.uda.nara.jp/sin-kankou/guide/flower/f01.html
●tenki.jp 又兵衛桜の桜開花・満開情報(周辺の天気と開花情報) →https://tenki.jp/sakura/6/32/50877.html
アクセス
近鉄大阪線「榛原(はいばら)」駅から奈良交通バスで「大宇陀」行バスに乗車。終点「大宇陀」バス停下車(正陽時間約17分)、バス停のある道の駅宇陀路大宇陀から現地案内板に従って約1.7km。又兵衛桜より西側の案内図 |
車などの場合、わかりやすいのは国道166号「内原」交差点から南へ進み、約2.4km先の「瀧桜(又兵衛桜)」、「本郷溜池」、「大宇陀体育館」などの標識のある交差点を右折(ここを直進すれば300mほどで道の駅宇陀路大宇陀があります)します。そこから東に約1.2km進むと左手の川の向こうに又兵衛桜が見えてきます。
駐車場の一つ |
駐車場は川の北側(又兵衛桜の対岸)に数ヶ箇所あり、料金は普通車500円~、大型車3000円となっています。
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