【南河内探訪】滝畑ダムとその周辺(河内長野市)

滝畑ダム

滝畑ダムは大阪府河内長野市滝畑にある石川の上流部に建設されたダムです。巨大なコンクリート製のダムと湖の雄大な景色、そして豊かな自然を感じられる場所として南河内でも人気のスポットです。また、ダム周辺には様々な施設もあり、休日のレジャーにも最適のエリアとなっています。

滝畑ダム(河内長野市)

概要

滝畑ダムは、一級河川大和川水系の石川上流部に建設されたダムで、ダムの形式は曲線重力式コンクリートダムとなっています。石川流域の治水対策と耕作地への灌漑用水の供給、河内長野市及び富田林市への上水道供給を目的として建設され、大阪府滝畑ダム管理事務所が管理しています。

ダム本体の建設は１９７３年(昭和４８年)に工事着手し、１９８２年(昭和５７年)３月に完成しました。堤体がカーブを描きアーチ式ダムのよう見えますが構造上は重力式コンクリートダムで、その堤高は６２．０ｍ、堤頂長は１２０．５ｍとなっており、２０２０年(令和２年)３月現在、大阪府内の完成済みダムの中では最大規模のダムです。

ダムの概要と周辺地図

滝畑ダム周辺は、自然休養村として遊歩道が整備され、少し上流にはキャンプ場や釣り堀、レストランなどもあります。ダムによって造られた人工湖には、毎年多くの渡り鳥が飛来しますが、オシドリは特に有名で、新河内長野八景の一つ「滝畑ダムのオシドリ」として数えられています。オシドリの滞留期間は毎年１０月下旬頃から翌年３月初旬頃までで、その間優美な姿を見せるそうです。

●大阪府ホームページ　滝畑ダム　→http://www.pref.osaka.lg.jp/minamikawachinm/m_index/k_takihatadam.html

ダムと磨崖仏

「滝畑ダムサイト」バス停とトンネルの間の交差点(丁字路)を東に入り１００ｍほど進むと、駐車場と大阪府滝畑ダム管理事務所があります。こちらの事務所で滝畑ダムのダムカードをもらうことが出来ます(配布時間内に限る)。滝畑ダムでは２０１１年(平成２３年)７月１日から旧デザインのダムカードを配布していましたが、２０１８年(平成３０年)４月１日からは新しいダムカードが配布されています。

堰堤西側

管理事務所から１００ｍほど進むと堰堤(えんてい)が見えてきます。こちらは堰堤の西側になります。なお、管理事務所前からは自動車やバイクは通れませんが、人や自転車は通行できます。

トンネル入口(立入禁止)

堰堤の手前左側に小さなトンネルの入口がありますが、その扉の手前に「滝畑ダムの魅力調査」アンケートがあります。他にも地元河内長野の酒蔵である天野酒の「滝畑ダム地酒熟成プロジェクト」の案内も掲示されていました。

●滝畑ダム地酒熟成プロジェクトについてはこちら　→天野酒ホームページ「産経新聞にダム湖底熟成酒が掲載されました。」

アーチ状の堰堤

美しい弧を描く堰堤の上の部分の長さは１２０．５ｍあります。

高さは６２．０ｍあり、はるか下に石川が見えます。

滝畑ダムの堰堤のすぐ北側、つまり下流側は谷になっていますが、特に険しい右の崖の地上約２０ｍの岩肌には、大きな地蔵菩薩と観音菩薩の像が刻まれています。この磨崖仏は大正時代の末期に、長野郵便局長を務めた故・夏目庄吉氏が一人で彫り上げたもので、１９３１年(昭和６年)に完成させたものです。ダムが出来る前の当地には、高野山への街道が通っていましたが、急峻な地形で事故が多かったので、通行人の安全祈願のために彫られたそうです。

堰堤から見たダム湖

なお、滝畑ダムの総貯水容量は９３４万㎥、湛水(たんすい)面積は５２．３ha、湛水延長は約２．４ｋｍとなっています。

遊歩道

堰堤の東側まで行くと、ダム湖の東岸に沿って延びる遊歩道となっています。

遊歩道北入口

ゲートから先は山側を歩行者、湖岸側を自転車が通ることになっています。

奥河内湖畔の森

１００ｍ少々進むと、左手(山側)に「奥河内湖畔の森」の看板が見えてきます。

滝口明神付近

そして右手(ダム湖側)には、鳥居と東屋、モニュメントがあります。鳥居の奥には「龍口明神」とう祠がありますが、これは現在ダム湖の底となっている場所にかつて鎮座していた清水集落の鎮守が遷座したものです。

「ISHIKAWA」

滝畑アート・ウォーキング作品「ISHIKAWA」は石川を表現した彫刻で、１９９８年(平成１０年)に製作されたDale Enochs氏の作品です。

滝畑レイクパーク跡

龍口明神から２００ｍほど進むと、山の上に向かって幅が広く長い階段が現れますが、こちらは１９８５年(昭和６０年)にオープンし２０１６年(平成２８年)３月末をもって閉鎖された「滝畑レイクパーク」です。現在は立ち入り禁止ですが、案内板や階段、上の建物などが見えます。

夕月橋

遊歩道は「滝畑レイクパーク」跡からさらに約１．２ｋｍほど続いていおり、途中で上流に夕月橋が見えます。

滝畑ダム上流

夕月橋、青少年活動センター広場を右手に見ながらダム湖東岸を上流へ向かうと、中村集落があります。

滝畑大橋

中村集落の分岐を左(山側)に行くと東之村集落、右の湖岸沿いに進むと府道６１号堺かつらぎ線の滝畑大橋が見えてきます。

しんさむらい橋

府道に入りさらに上流に２００ｍほど進むと右手に「滝畑ダム」バス停とつり橋(「しんさむらいはし」)があります。

滝畑湖畔バーベキュー上(上流より)

つり橋を過ぎた辺りから、対岸に舗装された広い駐車場(有料)と綺麗に整えられた河原が見えてきます。これが１５００人が入れるという滝畑湖畔バーベキュー場で、駐車場やトイレも完備した広々とした河原でバーベキューを楽しむことが出来ます。なお、この駐車場は第１駐車場横で、すこし下流に第２駐車場があります。

滝畑湖畔観光レストラン

さらに上流に進むと山側に売店も併設された滝畑湖畔観光レストランがあります。ここは登山道の入口前となっていて駐車場もありますが、通常は駐車料金がかかるようで、冬季１２月～３月の期間中に売店レストランを利用したお客さんが駐車料金が無料になるようです。河原バーベキュー場ご利用の方は清掃協力費と駐車料金が必要とのこと。

●滝畑湖畔バーベキュー場・光滝寺キャンプ場　ホームページ　→http://takihata.jp/index.php

レストランのそばに滝畑湖畔観光アマゴ・マス釣り場もあったようですが閉鎖されたようです。

ダイヤモンドトレールの標識

レストランの前には対岸へ渡る新関屋橋があり、ダイヤモンドトレールのコースにもなっています。トイレもあるレストランの駐車場前の看板によると、槇尾山まで約３ｋｍ(施福寺までは約３．８ｋｍ)、岩湧山まで約４ｋｍです。

ちなみに、ダイヤモンドトレールとは、奈良県香芝市の屯鶴峯から、二上山、大和葛城山、金剛山、岩湧山、大阪府和泉市の槇尾山を結ぶ、金剛葛城山系の稜線を縦走する全長約４５ｋｍに及ぶ長距離自然歩道で、通称は「ダイトレ」といいます。

ここから上流約１ｋｍの距離には融通念仏宗の光滝寺があり、さらに光滝寺キャンプ場や荒滝キャンプ場、滝畑四十八滝もあります。ただし、新関屋橋の３００ｍほど上流から道路の道幅は狭くなり離合困難な箇所も。なお、「滝畑ダムと四十八滝」は「大阪みどりの百選」に選ばれています。

滝畑ダム西岸

新関屋橋を渡って西岸の西之村集落を抜け再びダム湖の湖畔に出てしばらく進むと左手に天神社の鳥居があります。

天神社(大梵天王社)

天神社は旧滝畑七ヶ村の氏神で、大梵天王社(だいぼんてんのうしゃ)とも呼ばれています。本殿へは長い石段を上って参拝します。

●天神社(大梵天王社)についてはこちら　→天神社(河内長野市)　・大梵天王社とも呼ばれる滝畑七ケ村の氏神

堂村集落

天神社の鳥居から３００ｍほど下流に向かうと、右手に夕月橋、さらに左手に堂村集落が見えてきます。堂村集落の中心部には、河内長野警察署滝畑駐在所や滝畑簡易郵便局があります。また、少し山を登ると河内長野市立滝畑ふるさと文化財の森センター(旧滝畑民俗資料館)があり、萱葺屋根の古民家などを見学できます(入場無料)。

●河内長野市観光ポータルサイト　滝畑ふるさと文化財の森センター　→http://www.kankou-kawachinagano.jp/spot/detail.cgi?id=44

展望公園

堂村集落から５００ｍほど下流の湖畔には展望公園があります。こちらには駐車場やトイレもあるのでちょっとした休憩に最適です。

公園付近から見た滝畑ダム

この公園付近からは滝畑ダムがよく見えます。なお、公園から「清水」バス停まで２００ｍ少々、「滝畑バスサイト」まで約９００ｍです。

アクセス

南海高野線・近鉄長野線「河内長野駅」から南海バス、日野・滝畑コミュニティバスに乗り「滝畑ダムサイト」バス停で下車するとダムや管理事務所のすぐ近くです。なお、「滝畑ダム」バス停は管理事務所から２ｋｍほど上流になります。

国道１７０号(外環状線)の天野山第一トンネル南側から南東の「滝畑」方面へ進み、約４km先(関西サイクルスポーツセンター前を通過)の突き当りを右折し府道２１８号河内長野かつらぎ線に入ります。すぐに滝畑第二隧道があるのでトンネルを出てすぐ左折するとダム管理事務所前の駐車場に着きます。駐車無料。