【南河内探訪】弘川寺の桜(河南町) ・サクラを楽しみ歴史を感じる古刹

弘川寺の桜

大阪府南河内郡河南町にある弘川寺(ひろかわでら)は、西行法師ゆかりの古名刹として有名です。春の桜、秋の紅葉などが美しく「大阪みどりの百選」にも選ばれている弘川寺は、普段は静かな山あいのお寺ですが、春秋のシーズンには多くの観光客も訪れます。

特に3月下旬から4月にかけては、「願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ」という歌を詠み、その通りにこの地で生涯を閉じた西行法師に捧げられた千本桜をはじめ、数多くの桜のある花見スポットとして賑わいます。

そんな弘川寺の桜をエリアごとに紹介して行きます。特に記述の無い限り2019年(平成31年)4月9日の写真です。

弘川寺の桜(河南町)
龍池山弘川寺の庭園の桜(河南町)

本来は先に本堂周辺から紹介したいところですが、今回は最も下の駐車場に近い本坊から見ていきましょう。



まずは、一番下の駐車場の奥にある階段、またはスロープを少し上った所にある本坊に立ち寄ります。

弘川寺の桜(河南町)
本坊庫裡門

弘川寺本坊には西行記念館があり、西行・慈雲両法師に関する数々の資料や文献を展示しています。しかし、この記念館は春季の4月1日から5月10日と、秋季の10月10日から11月20日の間しか開館していないので、興味のある方は機会を逃さないようにしましょう。開館時間は10:00~17:00で、拝観料は大人500円。

弘川寺の桜(河南町)
西行記念館手前の桜

スリッパに履き替え、本坊内を見学し奥の西行記念館に向かうのが順路ですが、春はやはり庭の桜が気になります。

弘川寺の桜(河南町)
篠峯殿と桜

本坊、西行記念館、篠峯殿に囲まれた庭園には数本の見事な桜の古木があり、見学者の目を釘付けにしていました。地面すれすれまで伸びた桜の枝にもたくさんの花がついていたので近くで写真を撮っている人も多かったです。

弘川寺のカイドウ(河南町)
天然記念物である海棠

また、桜ではありませんが、本坊のすぐ西側には海棠(かいどう=バラ科リンゴ属の落葉樹)の木があります。この木は樹齢約350年で、かいどうとしては日本一の老樹で府の天然記念物に指定されています。こちらの花盛りは毎年4月中旬頃だそうで、すでに咲き始めていました。

弘川寺の桜(河南町)
本殿と桜(2019年3月)

次に、本坊をあとにし本堂周辺へ。本堂の前は鐘楼堂をはじめ御影堂や護摩堂といったお堂が立ち並ぶ、参拝の中心エリアとなっていて、周辺にいくつか桜の木もありますが、鐘楼堂と護摩堂の前には1本の枝垂れ桜があります。

弘川寺の桜(河南町)
鐘楼堂と隅屋桜

この木の側には「隅屋桜(すやざくら)」の説明板があり、「河内名所図会」などに「すや桜」や「規桜(ぶんまわしざくら)」という名称が登場し、南朝の忠臣で弘川城主であった隅屋与市正高が弘川寺にて奮戦して規桜の下で討死したという言い伝えが記されています。元の規桜は絶えてしまいましたが「すや桜」は今もこの地にその名を留めています。

弘川寺の桜(河南町)
西行桜山遊歩道入口(2019年3月)

本堂の右手から坂道に入り西行堂を経てさらに登ると、西行墳と慈雲墳のある広場からさらに奥に西行桜山と呼ばれるエリアへの遊歩道入口があります。

弘川寺の桜(河南町)
斜面の遊歩道と桜

急斜面に沿って作られた細い山道を進んでいくと、斜面や山の上などあちこちに桜の木があることがわかります。

弘川寺の桜(河南町)
桜の向こうに街が見えることも

この西行桜山には、西行法師八百年遠忌を記念して西行墳より東側の約3.5ヘクタールの山に供花の桜を約千本植えたそうです。

弘川寺の桜(河南町)
遠くの方にも桜が

遊歩道から外れるとちょっと危険な斜面もありますが、所々平らになっている場所もあり、休憩しながら花見を楽しむ人も多かったです。

弘川寺の桜(河南町)
桜以外の植物も

タイミングが良ければ、場所によって桜とツツジなどとのコラボレーションが楽しめるかもしれません。

弘川寺の桜(河南町)
前後左右に桜

さらに上の方には庵の跡などもありますが、今回はこの辺りから右手の道に入り下山しました。

弘川寺の桜(河南町)
高い所にも桜

昨年の台風などでかなりダメージを受けている木も多数ありましたが、十分にサクラを楽しむことが出来ました。

弘川寺の桜(河南町)
さくら坂住宅から見た桜山(2018年3月)

これだけたくさんの桜があると遠くからの景色も気になりますが、そんな時は近くのさくら坂住宅の上の方などから西行桜山を眺めるのもいいかもしれません。

弘川寺の桜(河南町)
上の駐車場からの風景

弘川寺の駐車場は4ヶ所あり、下から3番目と4番目の駐車場(以下、上の駐車場)は中でつながっているのですが、上の駐車場付近にも多くの桜の木があります。

弘川寺の桜(河南町)
上の駐車場の桜

まわりの山々にも桜が見えますが、駐車場の間にも見事な木があるのでタイミングが良ければもっとすごい写真が撮れたと思います。

アクセス

公共交通機関では、近鉄長野線「富田林」駅より金剛バスで「河内」バス停下車。バス停から70mほど戻る(下る)と「弘川寺」の看板があるので矢印の方向に右折。150mほど坂道を上り左に折れると境内入口が見えてきます。

弘川寺の桜(河南町)
上の駐車場の桜(2019年3月)

車で行く場合、ワールド牧場を目指し、そこからさくら坂住宅を越えて弘川寺を目指します。
最も迷いにくいと思われるのは、国道309号でスーパーセンターオークワ河南店前の「石塚」交差点を東に入り約250m先の丁字路を左折します。そこから1kmほど北に進み「白木南」交差点を右折。さらに1km先の信号(ワールド牧場入口の先)を右折し、さくら坂住宅方面への坂を上ります。道なりに約2km進み坂を下った先の突き当たりを右に入り、200m先の弘川寺の看板がある交差点を左折すると駐車場入口が見えてきます。一番下の駐車場以外にも、少し上の境内入口前、さらに上に2ヶ所あり、全て無料となっています

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